片目失明と福祉制度
「障害者手帳」「障害年金」「義眼の助成」など、片目失明に関わる制度は分かりづらく、地域によっても違いがあります。 当会では、当事者の経験をもとに、制度のポイントや申請のコツを整理しています。
重要:制度の内容や対象は自治体や時期によって異なります。 最新情報はお住まいの自治体窓口や、当会までお問い合わせください。
身体障害者手帳
現状と課題
身体障害者手帳は、障害の種類・等級に応じて、税控除・交通機関の割引・公共施設の利用料減免など、 様々な支援が受けられる制度です。しかし、片目失明のみでは多くの自治体で認定対象外とされており、 当事者が制度の恩恵を受けられない状況が続いています。
当会は、この現状を変えるために、厚生労働省や各自治体に対して、障害認定基準の見直しを求める活動を続けています。
等級基準(参考)
| 等級 | 視覚障害の基準 | 片目失明との関係 |
|---|---|---|
| 1級 | 両眼の視力の和が0.01以下のもの | 該当しない |
| 2級 | 両眼の視力の和が0.02以上0.04以下のもの | 該当しない |
| 3級 | 両眼の視力の和が0.05以上0.08以下のもの | 該当しない |
| 4級 | 両眼の視力の和が0.09以上0.12以下のもの | 該当しない |
| 5級 | 両眼の視力の和が0.13以上0.2以下のもの | 該当しない |
| 6級 | 一眼の視力が0.02以下、他眼の視力が0.6以下のもので、両眼の視力の和が0.2を超えるもの | 片目失明+他眼の視力が0.6以下の場合、該当する可能性あり |
※上記は一般的な基準です。自治体によって判断が異なる場合があります。
障害年金
概要
障害年金は、日常生活や就労への影響が大きい場合、一定の条件を満たせば受給できる可能性があります。 片目失明のみでは原則として対象外とされていますが、両眼視の困難さや疲労など、 見え方の実態を診断書に正しく反映させることが重要です。
申請のポイント
- 1. 診断書の重要性:「片目が見えない」だけでなく、「両眼視ができないため距離感がつかみにくい」 「疲労が蓄積しやすい」「階段を踏み外しやすい」など、日常生活への影響を具体的に記載してもらう。
- 2. 就労への影響:就職活動の困難さ、職場での配慮が必要な場面、転職を余儀なくされた経験など、 就労への影響を具体的に説明する。
- 3. 医師との相談:診断書を書いてもらう前に、片目失明による日常生活への影響を 医師に詳しく説明し、診断書に反映してもらう。
- 4. 追加の診断:必要に応じて、視機能検査や両眼視機能の検査を受け、 客観的なデータを添付する。
注意:障害年金の申請は複雑で、個々の状況によって判断が異なります。 当会では、申請を検討される方に対して、経験に基づくアドバイスを提供しています。 お気軽にご相談ください。
義眼の助成制度(アピアランスケア制度)
制度の概要
義眼の作成・交換には、高額な費用がかかります。 一部の自治体では、この費用の一部を助成する制度を設けています。 当会の働きかけにより、川崎市や那覇市など、支援が広がりつつあります。
助成制度がある自治体(一部)
| 自治体 | 制度名 | 備考 |
|---|---|---|
| 川崎市 | 義眼助成制度 | 2024年6月に制度創設 |
| 那覇市 | 義眼補助金制度 | 2025年2月に制度創設 |
| 世田谷区 | 義眼の助成 | 2025年3月に創設に向けて前進 |
※制度の詳細(対象者、助成額、申請方法など)は各自治体の窓口にお問い合わせください。
義眼ケアのポイント
- ・ 義眼は定期的な清掃と、定期的な交換(通常2年ごと)が必要です。
- ・ 義眼装用により、まぶたの形状が変化することがあります。定期的な調整が必要な場合があります。
- ・ 義眼を作成する際は、信頼できる義眼製作所を選ぶことが重要です。
- ・ 当会では、義眼に関する相談も受け付けています。経験者のアドバイスを参考にしてください。
申請のコツ(当事者の経験から)
1. 事前の準備が重要
申請書類を提出する前に、必要な書類をリストアップし、漏れがないか確認しましょう。 診断書は時間がかかる場合があるので、早めに医師に依頼してください。
2. 日常生活への影響を具体的に
「片目が見えない」という事実だけでなく、「階段を踏み外した」「距離感がつかめず転倒した」 「就職活動で不利だった」など、具体的なエピソードを記録しておくと、申請時に役立ちます。
3. 医師とのコミュニケーション
診断書を書いてもらう際は、片目失明による日常生活への影響を医師に詳しく説明しましょう。 両眼視の困難さや疲労の蓄積など、見た目では分からない影響も伝えることが重要です。
4. 不認可の場合の対応
申請が不認可になった場合でも、諦めずに再審査請求や異議申し立てを行うことができます。 当会では、このような場合のサポートも行っています。
5. 当事者同士の情報共有
同じ経験を持つ当事者と情報を共有することで、申請のコツや、どのような書類が有効だったかなど、 実践的なアドバイスを得ることができます。当会のLINEや交流会を活用してください。